3回目
関東地方は先日春一番が吹いた。
セーターとダウンジャケットが生暖かい風と共鳴し、完全なセルフサウナ状態に陥った。
そして、明日は最高気温が18度になるらしい。
まだ二月のこと。
おい、春よ、お前はいっつも急に来てはいなくなるよな。
寝苦しい夜。
寝汗をかき、ヒートテックを脱ぎ捨てて今この文章をポチっている。
深夜2時前。明日は仕事。知らねえ。知りたくもねぇ。
先日、バレンタインデーというイベントがありました。
朝、会社の席に着くとありました。
義理チョコ。
フロア内の全男性社員の席に全く同じチョコが何者かによって置かれているそれは、もはやサプライズでも何物でも無く、
「これ、飛行機に搭乗した時に座席のポケットに挟んである有線チャンネルの冊子的な、どうぞご自由に。感がエグいな」
と俯瞰で見て一言。
義理チョコを置いてくれたことは感謝します。
隣の席のおっさんとか微妙に喜んでるし。
だけど、誰が置いたのか一切ノーヒントって怖えよ。
恐怖新聞かよ。
何よりも怖いのが、この差出人不明のチョコレートについて毎年3月に男性社員一人500円の強制カンパが行われるということ。
もはや、暴走族のパー券と何も変わらない。
そして、フロア内の男性社員約200名から徴収された100000円が誰の手に渡るのか不明という超難解ミステリー小説編に突入するのだ。
怖いよぉ、怖いよぉと稲川淳二先生のワードがリフレインする中、コーヒーを買いに一階のコンビニに行き、お昼を食べようと座席に戻ると、
義理チョコ増えてるぅー。
おい!差出人不明2番目!
せめて手渡せ!笑
なぜ俺がコンビニに行った瞬間を見計らってチョコレートを置く!
そっと地雷置くスナイパー並みに俺が席立つ瞬間どこかで見てただろ!笑
母さん、今年はチョコレート二つも貰ったよ。
誰がくれたのか分からないけど。
コミュニケーション力の欠如感パネェよ、この会社。
LINEで辞表を送りつけるという新世代の若者がいるというこの世の中。
今、人々に大切なのはSNSでも義理チョコでも無い。
目と目を合わせて会話する当たり前な行動と、
痔主の必須品、ボラギノールである。
どうやって500円のカンパから抜け出すか、辞表を清書しながら考えてみようと思う。